ORAGA hub. / おらがハブ
設計監修











廃校小学校の昇降口を世代を超えたリビングに
地域情報プラットフォームを運営する会社が廃校を活用をした新しい拠点を構えることになり、千葉県富津市の旧金谷小学校の1階(昇降口+教室+テラス等)をリノベーションした。
正門から敷地内へ入ると、大きな椰子の木を挟んで校舎と体育館があった。校舎は廃校であったが、体育館は日常的に地域住民のさまざまな活動に日々使われていたため、体育館とも接続し、正面に顔を見せる昇降口を重点的に手を加えることとした。
周辺地域に暮らすほぼすべての人々が通った小学校である。ただ、カフェ的に、リビング的に使われるのではなく、建物全体が、また軒先や校庭を含めた敷地全体が活動的になっていく、そのきかっけの場所といてのデザインを求めた。
昇降口にはU字型の大きなカウンターテーブルを設え、背面にテレビを、その反対側に水回りを新設した。同時に隣接する教室との間の壁に窓を設け、視線が通りコミュニケーションがはかりやすくなる。外に対しては、木製引き戸を新設し、校舎の1階軒先全体に設えたテラスへとつながっていく。
本プロジェクトにおいては、クライアントの地域への入り方、関係のつくり方に素晴らしいモノがあった。プロジェクト竣工前から、小学校の卒業式イベント、また定期的なマルシェなどを開催し、地元の人々との関係を着実に構築していきながら、オープンを迎えることとなった。
その他にも、1階には授乳室やキッズルーム、コワーキングスペースや図書館等も設置された。「Uホール」と名付けられた昇降口を中心として、地域の人たちが日常的に集っていくことになるだろう。どんなことが起きていくか楽しみで仕方が無い。
おかえり金谷プロジェクト
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プロジェクト名:ORAGA hub. (おらがはぶ)
クライアント・事業者:株式会社フューチャーリンクネットワーク
設計監修:株式会社グランドレベル
設計:石井大吾デザイン室一級建築士事務所
構造設計:加藤構造計画事務所
協力:大関美奈子
写真:中村絵
サイト:千葉県富津市金谷2254-3 旧金谷小学校内