グランドレベルより
書籍発刊のお知らせ

グランドレベルは、パブリックとプライベートの交差点。そこが活性化すると、まちは面白く元気になる。欲しい公共は、マイパブリックの精神でつくっちゃおう。あたらしい「まちづくり」のバイブルが、ここに誕生。

『マイパブリックとグランドレベル』
晶文社より12月5日発売!
AMAZONにて予約を開始.

単行本: 240ページ
出版社: 晶文社
ISBN-10: 4794969821
ISBN-13: 978-4794969828
発売日: 2017年12月5日
価格:1800円(税別)

amazon 建築>都市開発・都市問題 売れ筋ランキング1位(2017/11/14)

・パーソナル屋台でまちに出る ・街角にもっとベンチを! JAPAN BENCH PROJECT ・公園を再生するエッジリノベーション ・遊休地を私設公園に! パーカナイズ ……など、まちを元気にするアイデア満載。コペンハーゲン、ポートランド、台北など、「グランドレベル先進都市」の事例も多数紹介。1階づくりはまちづくり。「建築コミュニケーター」の、新感覚まちづくり奮戦記。

こんなキーワードが気になる人には、是非読んでほしい!

まちづくり、パブリックスペース、公共空間、エリアマネジメント、社会実験、リノベーション、公園、建築設計、再開発事業、屋台...


まえがき

※書籍より引用

 
 ある日うっかり建築の作品集を開いた瞬間、稲妻が走ったような 衝撃を受けました。建築家と大工の違いも知らなかったわたしは、社会や時代、ひとや文化といった、あらゆる分野が総合的に紡ぎ上げられ て、ひとつに昇華するという建築の総合性に、ひと目惚れしてしまったのでした。もっともっとたくさんのひとに建築の面白さを伝えたい、 あの頃の自分にもわかるように伝えたい、そんな思いで建築関係の雑 誌や本を企画したり執筆したりするようになりました。
 
 それから約10年、わたしはひょんなきっかけで、まちのなかでコーヒーを淹れて、道行く人々にふるまうようになりました。建築や都市 が大好きなわたしにとって、まちは最高の居場所です。でもそこに佇んでいると、自分が本当に好きなのは、建築物や都市といった分野単 体ではなく、建築や都市を構成している、より細かい要素も目に見え ない背景も含めたすべてであり、それらがいきいきと能動的に躍動している瞬間であることに、気付いたのでした。同時に、建築や都市が、 経済よりも学問よりもまず、ひとのためにある、と感じられるときと いうのは、建築や都市とひとが、公共的な関係を築くことに成功して いるときであることが、わかってきました。公共とは施設でも制度で もなく、関係性なのだと。
 
 公共だのまちづくりだのというものは、最終的には「そうであって 当たり前」になることが、ひとつの目標だと思います。そのくせ、手間暇をかけたり意識を向けたりしていないと消えてしまう、儚い生き物のようでもあります。相手がひとであろうと、建物やまちであろうと、関係ができていく時間軸とは途方もなく長く、王道や近道やゴールもなく、いつも途中経過でしかありません。 しかもその第一歩として確実にできることとは、小さくささやかなことでしかないはずです。

 行政や企業、さまざまな団体がいま、エリアマネジメントや公共空間の活用、プレイスメイキングといった活動に熱い視線を注いでいますが、そもそも公共やまちづくりとは、普通のひとの普通の生活そのもののサイズや質でできていなければ、根付かないはずです。個人のレべルで、普通のレベルでできることが、もっとまちに具現化できて、もっとまちを、自分自身を楽しむことができたら、どんなに素晴らしいだろう、と思っています。
 
 この本は、前半の「マイパブリック編」と後半の「グランドレベル編」 で構成されています。前半ではマイパブリックという、ちょっと変わった概念と、その概念を具現化した活動について紹介します。そして後 半では、マイパブリックのフィールドとしてまちのこと、グランドレベルについて書いています。
 
 マイパブリックのマインドやアイデア、視座を持った、個人や企業や行政が、まちのつくりかたや、そのための仕組みやルールのつくりかたについて、これまでとは違う、各々の個性溢れるアプローチで取り組める明日があることを、本書がほんの少しでもその背を押す役に立てたらと、強く願っています。

田中元子

起業する9ヵ月前、2016年1月、極寒のコペンハーゲンにて。ゲールアーキテクツを一方的に訪問し、マイパブリックとグランドレベルについて、プレゼンをさせていただいた直後。


どんな本なの? まず巻頭は...
マイパブリックとグランドレベルの見方を解説

 この本は、前半の「マイパブリック編」後半の「グランドレベル編」 で構成されています。
 
 前半では、「マイパブリック」について説明します。「マイパブリック」とは、筆者がつくった造語です。直訳すると“私の公共”。私ひとりでも公共がつくれる。それがどうして、今の時代に大切なのか。気づきと、まちでの具現化を繰り返すなかで見えてきたものとは!?
 
 後半では、「マイパブリック」の視座によって見えてきた「グランドレベル」の見方、考え方について話を進めます。世界の事例もはさみながら、日本の都市やまちや建築が見落としてきた大切なポイントを紡ぎ出していきます。

巻頭付録 マイパブリックとグランドレベルの見方
はじめに
マイパブリック編
第1章 マイパブリックとは何か
第2章 趣味のパーソナル屋台
第3章 パーソナル屋台が個人のチカラを引き出す
第4章 第三の趣味・マイパブリックの仲間たち
グランドレベル編
第5章 マイパブリックからグランドレベルへ
第6章 グランドレベルでマイパブリックを!─ 日本のまちを変える11のアイデア
あとがき
 

 肩肘をはらず、ぜひ一度書籍をご覧ください!