ARCHIVES

2017.07.19(TUE)

“こんなまちにしたい!と、まちの全体の構図を考える.それがまちの不動産が目指すべきこと“

 #009 長嶋 修

(不動産コンサルタント)

 

 
(ながしま・おさむ):不動産コンサルタント。不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。 2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。また自身の個人事務所(長嶋修事務所)でTV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。現在、日経電子版「NIKKEI STYLE」、東洋経済オンライン、Forbes JAPAN WEB等で連載中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及する。新著に『不動産投資 成功の実践法則50』(ソーテック社)。他著書多数。
 

 MEMO

夜の街でアルバイトしていたあの頃/人間が持つ多面性/人間はそもそも駄目な存在/無知は売れる/学問体系の間でのほほんとする建築人たち/地面を握っている不動産/歴史文化に思い入れのない不動産業者と金融/不動産の世界が背負っている郷/崩れはじめた「新築」「中古」「リフォーム」ピラミッド/不動産オーナーのために価値を最大化するアメリカ/英語の「Public」と日本語の「公共」の違い/「公共」という言葉の中に「自分」が入っていない/まちの不動産が目指すのは、まちが良くなること/もの言う不動産/地域のことを考えて、断るくらいにならないとだめ/来年こうしたいという言う日本/描く数十年後のために今これをやるドイツ/駄目を解決しても飛躍はない/建築は問題解決のためにあるのではない/世の中にお金がなかったら/欠陥だらけの資本主義と人間の欲望/せっぱつまっていない日本/波風を確信犯的に立てる/良い仕事とは、自分がいなくなっても続いていく仕事/インフラになりたい/幸せとは究極自分が幸せになったとしても、まわりが幸せになること

 
 参考リンク

twitter 長嶋修
http://www.nagashima.in/

2017.07.11(TUE)

“まちに必要なのは、ルールよりもシステム、自由と居場所、思いやる気持ちと考える力!”

 #008 岸野雄一

(スタディスト)

 

 
(きしの・ゆういち):1963年東京都生まれ。音楽家・著述・講師など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディストを名乗り、東京藝術大学大学院映像研究科や美学校などで教鞭をとる。自身のプロジェクト「ヒゲの未亡人」「WATTS TOWERS」などでの活動のほか、海外からのアーティスト招聘やオーガナイズ、イベント企画を数多く手がける。テレビ・ラジオの出演や音楽批評、映画批評の執筆、講演も数多い。制作総指揮 / 主演を担当した音楽劇「正しい数の数え方」が、第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞を受賞した。 自身が主宰するレーベル「Out One Disc」では、OORUTAICHI やGangpol&Mitなど個性豊かなアーティストをプロデュース。第68回さっぽろ雪まつりでは大雪像を使った音楽影絵劇「トット商店街」を上演。常に革新的な「場」を模索している。
 

 MEMO

正しい数の数え方/公共ホール/コンビニDJ/万人に良いものとは/万人を目指せ/クレームが一般化した今世紀/クレームで中止の間違い/大勢が楽しんでいるものが嫌いなひとたち/人が抱き合っているのを良いものとして捉えられるか、嫌悪感を持つか/まちが楽しいと添景になる/まちをつくることは、自由をつくること、居場所をつくること/まちに自分の居場所がないと殺伐としてくる/施設の排他性は何からくる?/コミュニケーションは諦めないことが大切/人一人のふるまいで施設のパブリック性は変わる/出禁のあるコンビニ/ルール化よりもシステム/思いやる気持ちと考える力/商業施設はサードプレイス/商業施設にも税制上の優遇を/サードプレイス法案/多様性主義者の盲点/「多様性」「地域振興」「コミュニティ」「パブリック」「賑わい創出」はマジックワード/人口とアクティビティ量は比例しない/雪かきしない人たち/廃れる町内会/隣に座った人と話しがはじまる率が世界最低の国日本

 
 参考リンク

twitter 岸野雄一
wikipedia 岸野雄一

2017.07.11(TUE)

“脳の海馬も都市も、ガサガサしたノイズが大切.それがなければ何も生まれない”

 #007 星野概念

(精神科医、ミュージシャン)

 

 
(ほしの・がいねん):精神科医、ミュージシャンなど。曖昧さや不安定さに向き合う仕事を愛す。精神医学や心理学を少しでも身近に感じてもらうことを考えている。総合病院に勤務する精神科医。執筆も行う。主な連載に「めし場の処方箋」(Web『Yahoo!ライフマガジン』)、「星野概念さんに聞いてみた」(Web『文春オンライン』)、「こころと音楽の相談室」(Web『MODERN FART』)、「本の診察室」(雑誌『BRUTUS』)ほか。主な音楽活動に、コーラスグループ星野概念実験室、ユニットJOYZ、タマ伸也氏(ポカスカジャン)とのユニット「肯定s」の他、□□□のサポートギターなど。
 

 MEMO

精神科医になった訳/寄藤文平/記憶のメカニズム/脳が変わる=人が変わる/経験とプロセス/心とは目に見えない脳の働き/心は発生する形のないもの/カラダのどこに心はある?/ダイレクトな承認を求める時代/数から開放されること/自分の価値の自分の設定/アドラーさん/トフラーの生産型消費者/他者・自分で決める物差し/human being(ただいる) human doing/都市や公共もdoingに/ただそこにある価値を見定める/最短距離はdo/be下克上/職業は手段・目的はビジョン/やってみたが実現できる都市/海馬はノイズ好き/ノイズを排除する社会/映画「人生フルーツ」ノイズまみれの家/秩序と倫理/禁止と許可/成し遂げたことも失敗したこともすべてプロセス/多様であることを許容しているか/見たことのあるものの中に、見えてないものがある/痛いとかゆいは、人によって違う/哲学のある人ない人/心を構造的に考える精神科医/毎年教科書を読み続けている精神科医の師匠

 
 参考リンク

http://gainenhoshino.tumblr.com/ 

2017.06.20(TUE)

“その人自身が人生を考え、自ら活動を起こしていく.これがコミュニティデザインの最大の手柄”

 #006 山崎 亮

(コミュニティデザイナー/Studio-L)

 

 
(やまざき・りょう)1973年愛知県生まれ。studio‐L代表、東北芸術工科大学教授。全国各地のまちづくりにおけるワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープデザインに関するプロジェクトに参画。「海士町総合振興計画」「マルヤガーデンズ」「震災+design」でグッドデザイン賞を受賞、「いえしまプロジェクト」でオーライ!ニッポン大賞審査委員会長賞を受賞。主な著書に『コミュニティデザイン-―人がつながるしくみをつくる』(学芸出版)『コミュニティデザインの時代-―自分たちで「まち」をつくる』(中公新書)など。
 
— 最後に会ってお話ししたとき「福祉を一から勉強したい」と話していた亮さん。あれから数年が経ち、そのようにしているって風の噂で聞いている。だいぶ遅くなったけど、あのとき亮さんが言った「福祉」の意味が、少しだけ、わかってきた気がする今、亮さんのパブリックマインドを改めて、探ってみたくなった。
 

 MEMO

最近通っていた福祉の学校/モトコはなぜ大阪に!?/コミュニティデザインの喜び/コミュニティは自分でつくる/建築設計をやっていた反動/日本人の受け身体質/市民革命ではなかった明治維新/与えられた公共の居心地の悪さ/阪神と東北で変わったこと/まだまだ可能性がある建築の在り方/亮さんにもあった建築をつくりたい気持ち/釣りに学ぶ微調整の集積/コミュニティデザインも教科書は書けるかも?/1回づくりは社会福祉づくり/「福祉」という言葉の持つダサさ/福祉と建築はゴールデンコンビ/ひらかれるべき福祉施設/「モノ」か「コト」かはもうやめろ!/太宰治の雑文集「正直ノート」/人間の矛盾と主義/國分さんとの新刊/僕らの日和見文庫/一肌脱がせていくのがコミュニティデザイン/金になる受動性/福祉に一生関わらない世の中/思考停止させているモノ/顔の見える範囲から変えていく/「まちづくり」はマジックワード/スタジオLの成果とは?/1730の自治体、17300の計画/もういらないですが最大の手柄/老後に良いパーソナル屋台/自分が家を建てるなら/パブリックハウス

 
 参考リンク

Studio-L

2017.06.13(TUE)

“「公平性」こそが人々のポテンシャルを最大化させ、幸福的状況を生み出す”

 #005 羽鳥 達也

(建築家/日建設計)

 

 
(はとり・たつや)1973年生まれ。武蔵工業大学(現東京都市大学)工学部建築学科を卒業、同大学院を修了後、株式会社日建設計に入社。小規模オフィス、劇場、ミニシアター、6,000戸の集合住宅、超高層オフィスなどを担当。主な作品に「ソニーシティ大崎」「神保町シアタービル」ほか。主な受賞に、日本建築家協会新人賞受賞 ARCASIA建築賞ゴールドメダル受賞など多数。3.11後には日建設計ボランティア部で開発した「逃げ地図」を開発。活動の輪を全国に広げ、GOOD Design AWORD Best100、Code for Resilience 最優秀賞受賞。 
 
— お兄さん的な雰囲気を持ちながら、巨大な建築物の設計から、社内のボランティア部での「逃げ地図」開発、はたまたヒューマンスケールな人の動きに焦点を当てた研究まで、その活動は多岐に渡り、そこには一貫した「あまねく他者への眼」を感じる。気さくなお人柄の裏側には、やわらかく強かな、現代的パブリックマインドが潜んでいる気がするのだ。
 

 MEMO

神保町にある人間関係/認められているという感覚/都市や建築がつくる人の許容/マスタープランが持つべきもの/中庸が世に溢れる訳/素敵、期待値、波風、日本の作法/建築はコミュニケーションの集積の産物/課題解決が建築なのか?/何を問題とするかの大切さ/HOUSE VISION 洗濯動線の工学的分析/最短距離を歩こうとする人間/合理的動きの実現/ソニービル/逃げ地図/出会いやすいオフィスのプラン/人の動きの数値化/個人と組織/日建設計の理想的働く環境/勝手にやらせる度量/人間のパフォーマンスを高めるために/職種ではなく何をおもしろがれるか/自分の面白いを大事に/バルコニーに出られるオフィスビル/人の関与/委ねると減るクレーム/コントロールアレンジ/公平性を意識する/フェアがないと活発は生まれない/公平なルール/相手がわかっていると思ってしまう傲慢/人はまさに千差万別/あたりまえをきちんと見直す大切さ/公平性と幸福度/人を見た目で判断すること/会話量と成果/手法は答えではない/信頼関係とは/「公平」とは何か?

 
 参考リンク

神保町シアタービル
逃げ地図
コープ共済プラザ
日建設計

2017.05.30(TUE)

“まちづくりは、「生」と「自由」を肯定できるような場に、本当になっているのかを、考えなくてはならない”

 #004 田中 裕人

(ソシオミュゼ株式会社)

 
 
(たなか・ひろと):ソシオミュゼ・デザイン株式会社代表取締役、醍醐ビル株式会社取締役ほか。醍醐建設に所属しながら、パブリックアートのキュレーションやまちづくり活動、果ては調味料の教科書づくりまで、建築や都市における現代的解答を示せる、要注目プレイヤーの登場。主なプロジェクトに「一時画伯」「おいしい道計画」「HUNCH」「レースホース牧場」「she-Bop terrace」「さしすせそ」「おおたオープンファクトリー」など。 

 

 MEMO

母方の会社を継ぐことになって/自分の身体から離れて行為をしようとするときの倫理”が、私の考えるパブリック/僕を救ってくれた哲学/哲学とデザイン/デザインは問題解決ではない/問題設定の方がずっと大事/デザインをするは行為/デビューはアートプロジェクトから/想像と日常をどう関係づけるか/開発側に内部化されるパブリックスペース/流通するものは残らない/残らないものが大切/創造と日常/パブリックを考える時にさしかかっている/交換価値に持つ疑問/生きやすいについて/自分に忠実であること/おまじないをつくる/自由・迷い・葛藤/何を言っているか・どう言っているか/「今」は変曲点/音楽も自動車も都市の重要なファクター/営みがそのまま公共になっているもの/スナック

 
 参考リンク

ソシオミュゼ・デザイン
醍醐建設

2017.05.02(TUE)

 #003 大島芳彦

(建築家/ブルースタジオ)

 
 
(おおしま・よしひこ):1970年東京都生まれ。大手組織設計事務所勤務を経て2000年、ブルースタジオにて遊休不動産の再生流通活性化をテーマとした「リノベーション」事業を開始。その活動域は建築設計にとどまらず企画、コンサルティング、グラフィックデザイン、不動産仲介管理など多岐にわたる。団地再生など都市スケールの再生プロジェクトを手掛ける一方、個別の物件探しからはじめる中古住宅のワンストップリノベーションサービスを展開。近年では公益施設、商業施設の再生も手がける。リノベーションスクールの実績により2015年「日本建築学会教育賞」を受賞。(社)リノベーション住宅推進協議会理事副会長。(社)HEAD研究会理事、リノベーション・タスクフォース委員長。 

 

 MEMO

リフォームとリノベーションの違い/リノベの答えは建築?/彫刻を志していたあの頃/民主主義・社会主義/新しいものをつくることを説得させる言語/やる気スイッチを見つける達人/プロジェクトから手を引いていくことを意識する/自分はきっかけになればいい/モノ・コトではない/ハプニングを想像する大切さ/見立てること・レディメイド/僕らがつくるものは発明でもなんでもない/東中野の不動産屋としてできること/潜在能力に気づくきっかけをつくる/世代間のパブリックマインド/パブリックと自主性/変わりゆく公共像/参加可能と公平/平等の押しつけ/自分は何を社会に/レレレのおじさん/ソーシャルタックス

 
 参考リンク

ブルースタジオ
ミノハテラス
ほしのたに団地

2017.04.18(TUE)

“完成はゴールではない.不安定な状況こそが、成長を生み出し、社会を変える”

 #002 宇田川裕喜

(クリエイティブディレクター/BAUM代表)

 
 
(うだがわ・ゆうき):こどもの頃の憧れの職業は「まちづくり推進課」。大学時代にコミュニケーションの力で「貧困を過去のものにしよう」としたNGOキャンペーンに感動し広告の世界へ。PRプランナーを経て、2011年「場生む」ことを目的としたクリエティブ会社BAUMを立ち上げる。コミュニケーションの力で「場生む」ことで、クライアントや社会の問題を解決してくクリエティブエージェンシーがテーマとするのは、プロモーションではなく、「PR(パブリックリレーションズ)=世の中とのつながりをつくる」視点。企業や行政、市民大学までをもしかける「場生む」的パブリックマインドとは?

 

 MEMO

街づくりに憧れた子供時代/クリエイティブの力に気づく人・気づかない人/イギリス留学とホワイトバンド/トランプ問題/結果の平等・機会の平等/マネタイズの難しさ/サウナ/神が降りてくるには努力が必要/人数が少ないからできること/地域活性化のゴールはどこ?/成長大好き教でいいの?/シュリンクに楽しみは見いだせるか/バカでも分かることの大切さ/組合の面白さ/倫理を共有するな/サウナは水風呂が主役/二拠点居住人に勧めるべからず/東京の良さって何だろう?/昔から住む青山の人々/国語と図工で社会をよくする/黒か白ではなく、黄色でよくない?/安定と不安定/安定は予定調和 ほか

 
 参考リンク

BAUM

2017.04.11(TUE)

 #001 藤村龍至

(建築家、ソーシャルアーキテクト/RFA主宰、東京藝術大学准教授)

 
 

より市民へ、より大衆へ.とどまることなく新しい対象、新しい地域へと入り込んでいくソーシャルアーキテクトのパイオニアに問いかける夜.

 
(ふじむら・りゅうじ):1976年生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。2005年より藤村龍至建築設計事務所(現RFA)主宰。2010年より東洋大学専任講師。2016年より東京藝術大学准教授。建築設計やその教育、批評に加え、公共施設の老朽化と 財政問題を背景とした住民参加型のシティマネジメントや、日本列島の将来像の提言など、広く社会に開かれたプロジェクトを展開。

 

 MEMO

近代の終わり/教育論/集団設計/プロセスに対する約束/鼓舞する力/変化しろの有無/建築家という職業の奉仕/課題をメチャクチャ難しくしてみた/建築家スターシステムのあり方/サッカー場・野球場・野外フェス/シンボル性とコミュニケーション/許されるコミュニティ/ゆるさの大切さ/日本型公共空間のカタ/だらしな秩序/都市系パブリック系リノベ系に批評がない問題 ほか

 
 参考リンク

RFA
鶴ヶ島プロジェクト
大宮東口プロジェクト
白岡ニュータウン「コミュニティーガーデン街区」
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(設計:仙田満)