TOKYO BENCH PROJECT in KYOBASHI
TOKYO BENCH 01

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 2019年秋、グランドレベル(田中元子+大西正紀)は、東京ビエンナーレのプレイベント内の試みとして、20のベンチを東京スクエアガーデンビルの公開空地に設置するという社会実験としてのアート作品を展開、約1ヶ月間、中央通り沿いにベンチのある光景を生み出しました。
 
 期間後、すべてのベンチは撤去されましたが、オフィスビルで働く人、お店を構える人、そして京橋のまちを行き交う人などから、恒常的なベンチのある光景を求める声が上がり、ビル事業者である東京建物は、ベンチの設置を決定。ベンチのデザインと製作は、同じ京橋に本社を構える家具メーカー・イトーキが、またそのデザイン監修をグランドレベルが行うこととなりました。
 
 約半年間に渡り、イトーキのデザインチームの皆さんとデザインのエスキスが繰り返されていきました。何よりも大切にしたのは、ベンチらしいベンチであること、そして、どのまちの風景にも溶け込める普遍的なデザインを目指すということでした。
 
 子供から高齢の方まで、悲しい気持ちの方から楽しい気持ちの方まで、あまねく人々を受け入れるベンチになるためには、その表情が大切です。人間工学的に座り心地などを追求することよりも、大切なことを共有しながら行き着いたのが、鉄のプレートと木材の組み合わせによるシンプルなデザインでした。ベンチを構成するディテールには、イトーキがこれから培ってきた家具作りの知恵と技術がふんだんに活かされています。
 
 そして、2021年3月27日に、銀座への入り口部分、中央通り沿いを中心に12のベンチが設置され、テープカットを含めたお披露目会を企画・実施しました。今後は、この京橋を起点にしながら、銀座から上野まで、ベンチが連なる光景をつくりだすためにプロジェクトを進めて行きたいと考えています。

事業主体:東京建物株式会社
デザイン:株式会社イトーキ
デザイン監修:株式会社グランドレベル
竣工:2021/3/27
場所:東京スクエアガーデン公開空地(東京都中央区京橋3-1-1)

 

主なタスク
・コンセプトメイク
・現地調査
・デザインチームとの理念の共有
・新しいマインドセット構築
・デザイン監修

Ground Level × Acttiveness