安井建築設計東京事務所1階 クリエイティブ特区
設計アドバイス・コミュニティ醸成・運営・編集















組織設計事務所をまちにひらく
安井建築設計 東京事務所は社屋の移転に伴い社内コンペを開催、30案ほどが社内スタッフより提案され、オフィスの1階を大胆にまちにひらく案が採用された。1階をまちにひらくことを想定して設計された建築は数多くあるものの、空間だけでなくリアルな使われ方として具現化していくために、弊社が基本計画時からアドバイスを行うこととなった。
竣工までの第1フェイズでは、案そのものへの社内理解とコミュニティ醸成が中心的なミッションだった。基本設計においては、複数の機能を明確に決めていくのではなく、社内外問わずさまざまな人々が行き交い、そこに自然と佇むことができること、多様な使われ方が生み出されることが想定され、それらが実現すべくアドバイスを行っていった。
“誰もがいられる自由な場所”を実際に機能させることは、本当に難しい。弊社はまず竣工までの約1年をかけて、旧事務所のロビー空間を活用した社内イベントを継続的に開催していった。どうしてもスタッフがオフィスワーカー然としてしまう都会のオフィスでありながら、1階という多様な人々を受け容れる場となるために、スタッフがオフィスワーカーとは別の個性を安心して表せるよう、コミュニケーションの質を高めることがその目的だ。 弊社のノウハウを伝えたり、模型を囲んでクロストークをしたり、そうした活動の現場では飾り付けや、家具、ツールなどを活用した空間のアレンジでモードチェンジを体感。社内部活であるミントの栽培と連動した飲食イベントなども企画、実施され、さまざまなアクティビティが弊社の段取りだけでなく社員の皆さんの手によって行われていくことを推し進めていった。
また本移転プロジェクトは、安井建築設計創立100周年事業の一環として行われた。特設サイトにおいても、移転に伴う会社の視座、思考が効果的に伝わるよう、ウェブマガジンの企画・インタビュー・編集等も同時に行った。
2024年1月に新事務所への移転が完了。スタッフの発案による個性豊かなアクティビティに活用されながら、少しずつ社外の方々の利用が増えている状況となっている。2025年からは第2フェイズとなり、約1年間をかけて弊社が運営サポートのプロジェクトを行い、より多様な化学反応を促進させていく。
ホームページ:安井建築設計事務所
ホームページ:安井建築設計事務所100周年記念特設サイト
Instagram:安井建築設計事務所
雑誌『新建築 2024年6月号』
雑誌『新建築2024年5月別冊 つなげる・つながる設計 安井建築設計事務所100周年』
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サイト:東京都千代田区神田美土代町1
プロジェクト名:安井建築設計事務所 東京事務所「美土代クリエイティブ特区」
クライアント・事業者:株式会社安井建築設計事務所
設計:株式会社安井建築設計事務所
設計・運営アドバイス:株式会社グランドレベル